株式会社Global Arch

Global Archコラム

2019.11.28

◇ 仰天!世界の給食とヴィーガンへの理解

「食から心を温かく」をモットーに。

学生食堂、社員食堂をプロデュースするグローバルアーチです。

 

今回は世界の給食事情とヴィーガンへの理解をご紹介します。

多様な価値観が認められ、違いを尊重し合える社会―このような風潮は加速するばかりです。ダイバーシティという言葉も定着し、良くも悪くも私たちは生活の中で選択肢が増えてきました。

 

食もしかりです。

 

健康のため、個人的な思想のため、あるいは宗教上の理由などで動物性たんぱく質を摂取しない人たちが一定数います。そのような人たちが学校でも安心して給食を食べられるように、欧米の学校ではベジタリアン食やヴィーガン食を提供している学校もあるようです。給食というと、日本では有無を言わさず一様に同じものが提供されますが、欧米では選択の自由があるのですね。

 

 

アメリカのヴィーガン給食の例

 

アメリカではベジタリアン給食を提供する学校は今までもありましたが、なんとヴィーガン給食を提供する学校まであるとのことです。

 

南カリフォルニアにある私立の学校「MUSE School」がそうです。この学校では“One Meal a Day for the Planet”、すなわち“一日一食は、地球にやさしい食事を”という理念をもとに、地球にやさしい生活、食事などの大切さを子供たちに説いています。

 

ヴィーガン給食を始めるにあたっては、栄養面において保護者の理解を得るのに苦労したとのことですが、新鮮で美味しいヴィーガン食に子供たちが大満足していることで安心したようです。

 

「MUSE School」では、食を通じて環境への理解を深めてもらうために“seed to table”(種から食卓へ)というプログラムを用意しています。まさに言葉の通りで、種から生まれた植物が、どのようにして私たちの食卓に上り、そしてどのように廃棄されていくのかを学びます。地球上のすべてのものは繋がっていて、無関係ではないんだよということを体感できるプログラムです。

 

日本でも食育を取り入れている学校は多数あります。子供たちが食を通じて環境への関心を持つことは、地球の未来を明るくするうえで重要なのかもしれません。

 

 

世界初の無料給食を実現した国、フィンランド

 

メニューの多様性だけではなく、フィンランドでは給食制度まで私たちの常識を覆すようなことが実現されています。それは給食の無料化です。

 

教育や福祉の自己負担が少ないことが知られている北欧諸国ですが、フィンランドでは子どもたちの育成と教育をサポートするために、無料給食は1943年に法律で制定されたそうです。1943年とは驚きです。昨今に始まったことではないのですね。

 

この制度のおかげで、子供たちは家庭の経済状況に関係なく、いつでも安心して給食を食べることができるのです。中には給食だけを食べに学校に来る生徒さんもいるようですよ。

 

そして、メニューの種類も豊富です。

 

肉に加えて、ベジタリアン食、ヴィーガン食まで幅広くそろえています。ビュッフエ形式なので、好きなものを好きなだけとれるのも魅力です。ヴィーガン食に関しては、自治体によっては導入が義務付けられているところもあり、いかに多様な価値観が浸透しているかがわかります。

 

いつでも安心して好きなものを食べられる。このような食を取り巻く環境が、子供の健全な育ちの上では大事なのかもしれませんね。

 

 

代金は自己申告!シドニーのヴィーガンレストラン

 

ベジタリアンやヴィーガンの中には、社会問題や環境問題に高い関心を持つ人が少なくありません。彼らはまずは毎日の食事という自分ができることからはじめて、少しずつ社会や環境を変えていこうという考えを持っています。

 

シドニーにあるヴィーガンレストラン「Lentil as Anything」は、まさにそんな思想を体現しているようなユニークなレストランです。

 

まず会計システム。ここでは何と定価がありません。自分がオーダーした食べ物に見合った金額を自己判断で支払うというシステム。一応、目安となるような金額表はあるのですが(それもざっくりで「メインとデザート、ドリンク全て頼めば15ドルですよ。それ以上は寄付になりますよ」みたいなことが書いてあります。)そして注目なのが、メニューのところに「ボランティア」と書いてあること!このボランティア。お店でスタッフとしてサービスをするもよし、絵が得意ならば壁画を描くもよし、あるいはお店で演奏してもよし、と、要するに自分がお店に貢献できることをやれば良いのです。この寛容さ、なかなかないですよね。なので、お金に余裕のある人は15ドル以上支払うのもありですし、余裕のない方は気持ち程度の支払い、あるいはボランティアをやるなど、その人の無理のない対価で食事ができるというわけです。

 

「Lentil as Anything」は、食を通じて人と人、人と社会、人と環境が繋がり、それぞれの豊かな関係が生まれています。

 

私たちグローバルアーチも、食を通じて心が豊かになり、幸せを感じてもらうことを願って活動しています。このシドニーのレストランの在り方はとても参考になる点が多く、また心から共感できるものでした。

 

 

東京浅草にヴィーガンコンビニ&ファミレス「VEGAN STORE」が12月3日にオープン!

 

最後は日本のお話です。日本を象徴するような観光地、浅草にヴィーガンコンビニ&ファミレス「VEGAN STORE」オープンしました!このお店は近年増え続ける観光客や2020年のオリンピックに訪れる大勢の外国人の多様なニーズに答えるものでもあり、また国内でも健康や環境に対する意識が高まっていることもオープンの背景にはあります。

 

コンビニではヴィーガン認証マークを取得した商品を優先的に取り扱い、ヴィーガン認証マークのない商品に関しては「VEGAN STORE」の商品選別チームで調査厳選し、VEGAN STORE厳選商品として販売するなど、徹底的な品質管理を行うようです。レストランでは全て店内で製造したグルテンフリーの料理を提供し、ヴィーガンの方が安心して飲食を楽しめるような多様なメニューを揃えているとのこと。

 

ヴィーガン食というと敷居の高いイメージがありますが、「VEGAN STORE」のようにコンビニやファミレスという気軽な店舗形態をとることによって、ヴィーガン以外の方にも気足を運びやすい雰囲気をつくっています。

 

オリンピックをきっかけに世界の食に対しての意識や取り組みを知ることができ、それを実際に体験することで食に対しての在り方、選択肢を考え直すことになるのではないかと思いました。

 

 

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